感化と変化の記録

3.俺14

体験と生活と芸術の考察ブログ

イエスを100人に増やすには:東京都美術館「ボッティチェリ展」

全世界のおばさんの好感度が上がった

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※この写真、気に入ってます

2016年2月21日。嬉しいことがありました。それはチケットを買おうと列に並んでいた時のこと。「ボッティチェリのチケット買うの? ね、買うの?」とおばさんが後ろから話しかけてきた。

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どーん! なんと! 「はい」と答えると、チケットをくれたのだ。二人で来るはずだったのが一人になって、余ったらしい。

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その浮いたお金で、普段は食べないようなところで食べた。店の名前は忘れたが、「東京都美術館2階のレストラン」ということは確かです。

「これはメンチカツじゃない」

まだ展覧会の話に入りません。その店で食べたメンチカツで小話があります。

先ず、初めてメンチカツを「美味しい」と思った。今まで食べてきたメンチカツは「メンチカツ」だった。それは独特の味で、「あぁ、メンチカツ」って感じ。説明が難しい。スーバーでも肉屋でも、何か独特の味があった。

その日食べたメンチカツは「肉を食べてる感」があった。メンチカツだけど、メンチカツじゃないんだ。と打ってるところで2回目の水を断った。普段は食中に水を飲まないので断っている。なんか暗に示す方法はないだろうか。それがなければ、水が無いことに気づいた店員の数だけ永遠に注ぎに来られる。

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こうとか? そして驚いたのが、「マスタードの辛くないこと」ね。「マスタード = 辛い」だったから驚いた。マスタード特有の風味だけで、後は酸味。マクドナルドのピクルス味に限りなく近い。いやー、おばさんありがとう!

無数のイエス

やっと本題です。

Sandro Botticelli『Adoration of the Magi

※サンドロ・ボッティチェリ『ラーマ家の東方三博士の礼拝』

「生まれたばかりのイエスを訪問する絵」らしい。赤ん坊のもとに人が集まるこの絵を見て思ったのは、バングラデシュの伝統について。子どもが生まれると、400人以上が一か所に集まるらしい。真偽は定かではないが、真ならば「毎日どこかでイエスが誕生しているようなものだな」と思った。

影のための彫刻ってある?

Antonio del Pollaiolo『Hercules and Antaeus

※アントニオ・デル・ポッライオーロ『ヘラクレスとアンタイオス』

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壁に影が映ってた。これはこれで面白い。以前にも似たようなことがあった。

関連動画

Molding for Shadow(影のための造形) - YouTube

「何に描かれているか」も重要

European manufacture『Cup』

※ヨーロッパ製『杯』

お椀に彫られた細工を見ているときに思ったのは、「何に描かれているか」も重要だということだ。道具に描いてしまうと、「実用性」や「『実際に使う物である』という日常感」が作品然とする可能性を薄めているのではないだろうか。

似たようなことを以下の記事にも書いたので、よろしければそちらもどうぞ。

屏風の意外な面白さ (京都国立近代美術館:琳派400年記念 「琳派イメージ」展) - 3.俺14

作品が展示されている場所も重要だと思う(三菱一号館美術館:プラド美術館展) - 3.俺14

壁から出てきたストーンマン

Andrea del Verrocchio『Madonna and Child

※アンドレア・デル・ヴェロッキオ『聖母子』

一枚の厚い大理石を彫って作られている、絵のような彫刻のような作品。このような作品は初めて見た。立体的だ。 映画『しんぼる』で、白い壁から赤子のような天使(?)がニュッと出てくる様子に似ている。

防具屋を無批判に信じてはいけない

Antonio del Pollaiolo『Saint Michael Fighting the Drangon

※アントニオ・デル・ポッライオーロ『竜と闘う大天使ミカエル』

ミカエルの表情が良い。何が良いかというと、「違和感」がだ。「首長竜の頭部に犬の顔が付いている」という現実離れした現象を考慮しても、ミカエルの表情が一番違和感を持っている。

例えると、「直前まで楽しくやってきたのに、急に『あぁ……クーラー付けっぱなしだ』と気づき、長期旅行中なのでどうにも出来ないことに落胆したような表情」といったところか。 当てはめるセリフとしては、「防具屋の野郎。『この大きさの盾なら、魔王ちょい前くらいまで行けますよ』って言ってたじゃんかよー」なんかが良いだろう。

そっち路線で見てしまった

Filippo Lippi『Madonna and Child』

※フィリッポ・リッピ『聖母子』

「最近たるみが気になる顎のポタポタ部分を公衆の面前で子供に触られ、バレないようにコッソリつねってやめさせようとしている絵」といったところか。絵はネットで見つからなかったので、想像していただきたい。聖母子の静かな戦いを。

それとも教科書にあった?

Sandro Botticelli『Saint Augustine in His Study

※サンドロ・ボッティチェリ『書斎の聖アウグスティヌス』

パッと見、「どっかで見たことある。教科書かな?」と思ったけど、さっき下書き的なものを見たんだった。

「描き方」の長い説明

Sandro Botticelli『Saint John the Baptist』

※サンドロ・ボッティチェリ『洗礼者聖ヨハネ』

一色で描かれた小さな絵。今まで見た中で、作品に使った道具の説明で一番長いのはこの作品だ。

ペンとインク、絵筆と薄めたインク、鉛白、尖筆または石墨の痕跡、部分的にピンク色で塗られた紙の上にペンとインクで縁取り、裏打ちあり

呼び名はもちろん

Sandro Botticelli『La Bella Simonetta

※サンドロ・ボッティチェリ『美しきシモネッタの肖像』

下ネタの首に付いている宝石が本物に見えた(横から確認したレベル)。そういう、絵に宝石を付ける展示があってもいいと思った。

100人のキリスト

Sandro Botticelli『Painted Cross』

※サンドロ・ボッティチェリ『磔刑のキリスト』

木に描かれた作品で、磔刑の部分だけをくり抜いたような物。それに光が当たり、後ろの壁に影ができている。

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面白いのは、「影だけを見ると、本物の人が磔刑されているように見える」ということ。目にした瞬間、「えっ……」となった。光源が100個あれば、100人のキリストに会えるね!

車に照らされると影が二重になるのは、光源が二つあるからなんだなー。百個くらいライトつけてる車、通りかからないかな。百人に増えれる。
(2015年6月10日 21:41)

(2016年2月21日)