感化と変化の記録

3.俺14

体験と生活と芸術の考察ブログ

日本横断帰省:電車で8時間

「8時間かかるけど、東京経由よりだいぶ安いじゃん!」

2014年12月23日の日記より。同じ季節、同じ経路をたどりながら読むと面白いかも。

東海道線

08:30

沼津辺り。木々、煙、屋根……。全てが光に照らされて綺麗。いい朝だ。「まぶしいっ!」と目を細めるほどの日差し。両の手に暖かさを感じて、新感覚。手が冷たいからこそそれを感じたのだ。

富士くらいまでは、進行方向の左側に座ると富士山が見える。それ以降は建物に遮られる。ちなみに三島から右側に乗ると、工場群とか、家々とか、松とかが見える。

身延線

身延線に乗ってすぐに「山」が見える。ああ、縦断(横断の間違い)しているんだなという気持ちになる。いいなー、光の中の山! 空に雲が無いもんだから、際がはっきりしている。「山!」、「空!」って。


4駅ぐらい進むと、まだ紅葉しているところが。そして一カ所だけ茶畑があって、「お!」となった。


動かないで立つ耐久レースをやってる小学生グループにちょっかいかけたかったり、風景をカメラで撮っている人に「反対側は撮らないんですか?」と話しかけたかったり。人とのつながりを求めているのか。

ぬいぐるみの陰影。表面の毛だけ照らされて、それ以外は暗い。


初めの駅名に聞き覚えがあったのは、富士宮に行った際に通ったことがあるからだ。家々で景色が見えない。でも、住んでる人がいないと電車はないから結局景色は見れないわけだ。

今回も進行方向右側に座っている。終始富士山に背を向けた形だ。


新しいものの導入は多くの人を困らせることがある。それはチェーンてんうお! 西富士宮から沼久保へ向かうところで、富士山とご対面。

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その手前にはずらーっと家々が。思わず立ち上がって写真を撮ってしまった。で、それはチェーン展開をしているところの話。Suicaなんてものが作られると、全ての駅で対応する意味はない。だけど、Suicaを使って改札を通る人がいるもんだから、Suicaを読みとる機械をすべての場所で備えなあかん。

セブンのドーナツとかもそれだよね。あー、大変だね。


沼久保のあと、芝川に向かうあたりから山に囲まれる。さっきまでは山は遠くに見えるのみだったが、これは山を切り開いたって感じがする。短いトンネルが多い。

左右の窓から見える景色は、目前の木々に遮られてよく見えない。 しかし、後ろから見える景色はゆっくりで綺麗なものが多い。光に照らされた緑赤黄色。

ここまで見てきた景色、強い光がなければ「ふーん」って感じだったんだろうな。身延線は写真に収めたい風景が多いから、ボックス席に座るのがいいかな。

快速が存在しないことに、身延線を長距離移動に使う人が少ない事実が表れている。


10:17

山を越えると大雪な訳でしょ? 全く雪のないところから出発して、そういう景色を見てきてるからワクワクするわ! 山にはこんなにいろんな表情があるのか。寄畑から内船な向かうときにふつうの緑山、紅葉山、雪山の3つが一度に見渡せた。

この辺は田んぼが多くて、家が密集していない。そして、富士宮を越したあたりからとんと人がいない。 家は密集してないと思ったけど、密集しているところもあった。


茶畑、川、山、空。眼前に雪山が見えるようになりました(ここまでで見た、富士山のような標高の高いを除く)。雪景色は、ほとんどすっぴんに近い(?)。

雪山が消えて、紅葉山が連なりだした。いや、元から連なっていて、その後ろに雪山があったのだ。雪山が見え始めたら、もうあとは雪模様が深まるばかりというわけではないんだな。

身延線の半ばまで行かないところで、「身延」という駅に来た。 路線の由来となったのはなぜだ? 駅のホームに「日蓮総本山なんたらかんたら」というのがあったが、それのせいなのか。てか、甲府までJR東海なのか。山梨は東海か。なんか違和感。


ここか! 車で通ったときに不思議だったんだよ。街の建物の作りの雰囲気が統一されてて何だろうと思ってた。温泉や宿屋街なんだろうか。身延線周辺はそんなこんなで栄えたところだから身延線なのか。


十島とか波高島とか島の名前が多いのはなぜだ?

「昔昔、超大津波が来て、この地域まで波が届いて、大変な被害をもたらしたのじゃ。そんな悲惨な出来事を忘れんために、昔の人はこの地域を波高島と名付けたのじゃよ」

とかね。遠くに見えるトンネルの入り口。


まだいたのかい、カメラマンさん。この人は撮影ポイントを熟知した動きをしている。何回も乗っているんだろう。

最近、電車内では本を読まなくなった。その代わり、景色を見ながら気づいたことをメモするようにしてる。景色の良さとメモの量が比例していて、「感性が高められてるなー」って感じがする。見慣れてないからこそのメモだろう。こうやってどんどん見慣れないものを、目に見せてやりたい。身延線長い。
(2014年12月23日 10:32)

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11:19

身延線も半分がすぎた。柿が木の上で腐ってた。

ここまで来るとど田舎で、家なんてぜんぜんないんだろうなという偏見があったけど、富士宮西で見たような家々が山の下に広がっていた。各家に干し柿が散見される。

鯉川への途中。身延線も終盤にさしかかり、女子が多くなった。駅と駅の間が短い。栄えてるところはそうなんだろう。真ん中だけが魔の無人ゾーンだ。


柿が屋根の上でも朽ち果てていた。

目の前に、ドキリとするような美人が。ハーフ? 外国人? こういうときの「You are beautifulカード」ですよ。

幸福は不幸を生むのか。綺麗な人のことを考えていて思った。不美人はあれじゃん、何の波風も立たせないじゃん。希望も何も。でも、美人は違う。罪だ。それみたいに、幸福な暮らしというものを知ってしまうと、それ以下のものが不幸に感じられる。生活水準もそうだ。上を知ってしまうと、下が不便に感じる。

このように、客観性の獲得は息苦しさの獲得でもある


南甲府の次が甲府じゃないんかい! 人の多さと景色の良さの反比例は、都会化と自然の景色の良さの関係なんだろう。

鈍行っていうけど、昔の人からしたらさ……。

山梨はもう雪っていうのは偏見だったんだな。甲府についても、雲一つないポカポカ陽気じゃねーか。


12:06

今も目の前に女の人が座っている。女性の髪を構う仕草、これは何だろう。仕草の幼さってあるよね。トンネルの時に窓を見て髪を直すのは、おばさんはやらない。


あー移動長いな、とか思い始めてるわけだけど、車掌さんって一日中、毎日乗ってるんだよな。何考えてるんだろ。おおーっと地面に雪が見えます!  日野春に向かってます。

あ、単に山に囲まれてるからじゃなくて標高が高いのか。近くの人の会話でわかった。てことは雪山の頂上がさっきから他の山と同じに見えてたのは、こっちが登ってるからなのか。


長坂です。右手には真っ白な、地肌をほんの少しだけ残す山が見えます。

「わずかに残す――」とかいったけど、別にわずかではなかった。しかし、先ほどの頂上付近のみの雪山と比べて、ああ寒いところに来たなと思わせるような山らしくなってきたよ。山の下の方まで白いもの。

ボックス席じゃないと「ああ! もうちょっと下の方みたい」という事によく出会う。あらら、また普通の山々だわ。雪とか局所的なんだな。予想と違った。

父はすごいな、とふと思った。連続する毎日。終わりのない仕事。わずかばかりの連休。自分が行って少しでも幸せを与えてやりたい。


12:42

地面の雪が増え、「雪 : 地面 = 海 : 陸」並の割合に。そして、屋根に積もる雪。なんで雪国出身の俺がこんなに感動してるんだ。これがなにを表しているかというと、日本海側から太平洋側にこまめに引っ越すことによって、そのたびに新鮮な気分になれるということ。

「トンネルを抜けるとそこは!」みたいなのはなかった。明確な境界線はなかった。いや、まだ大雪で運休になった区間に来てないぞ、早合点なのかも 。

すずらんの里へ向かってるときに雪の「かさ」を感じた。つもってるなーって感じ。すずらんの里素晴らしい。今まで山の斜面ばかりを見てきたところに開けた里が出現! 山に生えてる木。上の方だけ葉があって、下には幹だけが延びている。 それだから地面の雪が見える。それが幹、雪、幹、雪と交互に縞模様を作っている。この景色は初めて見た。

アウトプットの時はインプットは止まると考えていたけど、「縞模様」の表現のところで気づいた。「使ってみて、使えることに気づく表現があるんだな」と。使うまではそんな表現知らなかったかのような。多分バラバラに知識としては存在していて、それが組み合わさった瞬間なんだろう。


茅野で人がたくさん乗ってきた。スマホだといいが、手書きだと人目を気にする。

こっちの人も「~ら?」を使うんだな。JK。


上諏訪の付近。「ルートイン」の表記を見て、懐かしいというか安心感というかを覚えた。お馴染みのルートイン。

予想とは打って変わってお日様照り照りなんですが? この辺は山ばっかのイメージだったから、もっと曇ってて陰鬱なのかと思ってた。

俳句をふとやろうと思って、やってみて気がついたこと。「語彙力がものをいうな」と思った。同じ様な意味合いの語を短いのや長いのを探す。


俺はなにもしてないのに、隣に座ってたおばあちゃんから「ありがとうございました」と言われた。気分いいわ! みどり湖の辺りで、日が弱まってき……てないわ。局所的だった。


13:25

トンネルが長い。これは(雪景色が)期待できる。雲が通れないほどの山をくぐっているのだとしたら、天気は一変しているはず。

全然だった。 地面には積もってるものの、相変わらずのポカポカ。

頭が痛くなってきた。常に気を外に向けているし、頭を使っているからか。


待ち合わせが多いな。東海線には無いことだ。伊東線にはあったな。

彼女が彼氏に言う。「ねぇ、見て?」。いいなあ。 言い方が。

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無口。端から見れば無口なんだけど、内側はこんなにも言葉にあふれている。おもしろいことだ。

人が多かったり、日除けを降ろしていたりで、外がよく見えない。


男子学生の会話。「あっちの女子さっきから見てるよ」、「あいつ(女子)笑い方おかしい」といちいち発する声に反応して……。ほほえましいなこのやろう。いや、お前の左手にコアラのマーチ、右手にコーラを持ってる事なんて、あっちは気にしてないから。

でも、中学生位の彼らの気持ちは分かる。俺もその頃、そんな気持ちになったことあるあるよ。


南松本、どうしてこんなに圧倒的に女子が、それも若いのが多いのか。遊ぶところがあるのかもな、近くに。


14:00

信濃大町行きに乗ったが、左側に乗ってしまった。大糸線はずっと左側で行こうかな。

あと3時間で到着するのか。もう5時間も電車に乗っていることになる。名古屋に行った帰りをぶっ通しで乗り、「4時間半長げーな」とか思ってたけど、今はそうは思わないな。

ある人のtwitterに感心してからは、「ストップ! 増税」とかを見ると、「財源は?」と思う。

松本で一回雪減るね。

今傍目でも分かった。横の人かわいい。

今デブの女の子とおばさんとの間にできた隙間から景色を見てる。その隙間が最後の晩餐のイエスと妻とを思い出させる。

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画像:GATAG|フリー絵画・版画素材集. レオナルド・ダ・ヴィンチ – 最後の晩餐 (1495 – 1498) ID:201303301400 ※トリミングは著者

ほど遠いけど。

やはり、横の人はかわいく、美しかった。横顔が。というかなぜこんなにも女の人が多いのか。そして、ほとんどが友達連れの彼女たちはとこへ行くのだろう。


中萱というところだ。なぜこんなにも日差しが強いのか。暑いくらいだ。

「南」とか「北」とかがついた駅名。それを外しただけの駅名。そんなのが身延線からここまで散見された。東海道線では見たことない。「東田子の浦」はあるが「田子の浦」がないのだ。


田んぼばかりだ。熟れ熟れの柿が木一杯になってた!

こうしてセルフコントロールが限界に近づいているのも、あれか。情報量が多いからか。都会と違って人工的な看板などはないけど、景色が凄い速さで移り変わるから。それでか。

初めは「ダウンとかすぐ脱ぎたくなるだろうな」と思ってたけど、意外と着てられる。今日は良い意味で予想が外れまくりだ。


14:47

信濃松川。再び雪が積もった景色が。でも、晴れてるから気分がいい。屋根から雪解け水がしたたる様子、美しいな。さっきとは違い、今度は雪の積もった田んぼですよ。雪が増えてきたなー。

おばあちゃんと一緒に柿の木植えたいな。

「雲が山で濾されて日本海側に落ちる」とか関係なく、今日は全般的に晴れのようだね。

工場、家、店の屋根につらら。いよいよって感じですな。


15:01

そういえば今日は太陽と共に移動しているんだな。

外に出たとき「寒っ」と思った。

ずっと右側を見たいがために、左側が見れるボックス席に座って、右を向くという変なことが起きている。

あ、そっか写真撮れない――充電切れだ――のか。この雪の塊を撮りたい。いいねー。日が照ってるし、奥には山があるしで。一面が雪で、建物はポツンポツンとあるのみ。このつららのきらめきを写真におさめたい。松の上に積もってる雪とか、その後から日が顔を出してたり、粉雪がちらちら舞ったりと、素晴らしいね。こうやって写真に収められないもんだから、表現が豊かになる。

意地でも右を見てる。左は帰りに見るからさ。木にも雪がつもっている。左に綺麗な湖があるが、あくまでも帰りに見ますよっと。

写真とりてー! 充電を温存するかしないかの時、「それほど良い景色はないだろう」と高をくくっていたのが痛かったな。湖の反対側は山の斜面で、特にこれといったものがないです。

湖の近く、路線挟んで家々がある。もちろん電車の音はうるさいだろうが、毎日この景色が見れると思うとちょっといいなと思う。

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変わりばえのない右側。 ボックス席に普段座らないから気がつかなかったけど、左右両サイド、目の端を景色が流れていくのはいいな。

空は依然として青いが、日が陰ってきた。くる前に天気予報を見てきたが、晴れなのは今日ぐらいだ。この調子だともしかしたら、「後で見ればいいやー」、「後で撮ればいいやー」は通用しないかもしれない。

赤ちゃんて日本人とか関係なく、同じ様な声を上げるんだな。端々に聞こえる「Daddy」とか「Mommy」は除いて。

この「景色を眺める」ってのは、当初自然発生したものだが、ある時から、「見ないのはもったいない」、「損する」、「逃したくない」と半ば強迫的行為となった。

これは杉かな? きっと雪の積もらない春や夏なんかに見たら嫌な気分になるんだろうが、今は感性磨きに一役買っている。低い雲が、増えたな。

外国人がガサゴソして「降りるのかな?」と思ったら、英語のアナウンスが。こうやって、外国人が多く訪れるところは、ちゃんと対応されているのね。みんなスキーかな。大量に白馬で降りた。

雪多! 急にだよ。木が半分埋まってらあ。 殺風景を予想していて、まあその通りなんだけど、それがいい! 白に埋め尽くされてるのが。

大糸線は湖側を見るに限るな。反対は斜面ばっか。大糸線の車内が、左側(湖側)のみを向かせようとする不思議な作りなのはそのせいなのではないか。


16:10

糸魚川行き、一両編成か! 編成もなにもない。このワンマンカー、本気を出すときの音がトラックやバスと同じなんですけど。

空の明確な境界がないまま、終点に近づいている。いいときにきたなー。ずっと晴れてるで!

前のおっちゃんの靴、ブーツみたいな革靴だ。特殊。

「小滝」! 聞き覚えのあるやつや!

16:35

頭痛い。がんばれ俺。大糸線(糸魚川行き)は、ほとんどトンネルで楽しくない。次はいよいよ終点だ!


電車から降りた第一呼吸がおいしかった。

家に着いてからはサプライズが始まった。秘密の帰省だったので、おばあちゃんは、「おやびっくりしたー!」と。父はオーバーなリアクションとともに笑顔で、「一杯やるか^^」と喜んでくれた。

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これと同じ時期に、同じ経路をたどって、同じ景色を見てほしい。ぜひとも。という名の手抜き。

(2015年9月12日)